純潔のホワイトローズ







求めることは躊躇うくせに、図々しいくらいに村越の中をかき回した椿は、
今は村越にしがみつくようにくっついて静かな寝息を立てている。
椿には不思議な引力があって、キャプテンとしての役割を越えたところでも、なんだかほっとけない気持ちにさせられる。
小さな子供にするように、何が欲しいの、と時間をかけてじっくり全部聞き出して叶えてやりたくなる。
今まで付き合ったどんな女にも、相手に望みこそすれ、そんな気持ちにはならなかったのに。
村越はそんな自分を不思議に思う。
まどろみの時間の静寂を破ったのは、玄関の鍵が開けられる音だった。
こんな時間に勝手に部屋に上がり込む男を、村越は一人しか知らない。
静かに寝室のドアを開き、姿を見せたのは案の定ETUの王子ことジーノだった。
「合い鍵、使ってみたよ」
玄関から流れ込む薄明かりの中で、合い鍵を大げさに見せつけたジーノがふっと微笑む。
「勝手に作ったんだろうが」
「でも君は怒らなかったじゃない?」
するりとマフラーを外し、勝手知ったる態度で高そうなコートをハンガーに引っ掛けて鴨井に吊るす。
やれやれ、もう疲れちゃった、ぼやきながらも優雅なしぐさでベッドのふちに腰掛けた。
「外は寒かったよ。あっためてよコッシー」
村越の頬に触れるジーノの指は、しかしさして冷たくはない。
どうせ暖房のきいた車で移動してきたのだろう。
それでも布団をめくって招いてやると、ジーノは猫のようにベッドに滑り込んできた。
椿の背中に回していた右腕をそっと引き抜いて、自由になった両腕でジーノを抱く。
男が三人寝られる馬鹿でかく頑丈なベッドは、ジーノが買って村越の部屋に置いたものだった。
ジーノは服を着たままだけど、村越はパジャマの下しか履いていない。
ちなみに上は椿に着せた。
よくこんなサイズがあるなと感心してしまう、愛らしいピンクのウサギ柄のパジャマは、
やっぱりジーノが持ってきたものだ。
「それだけ?」
「何がだ?」
「あっためてくれるのって、こうして抱きしめてくれるだけなの?」
腕の中からジーノが見上げてくる。
これじゃまだ足りないよ、目尻の垂れた色っぽい瞳は、不満を訴えていた。
村越は溜息をついた。
「好きにすればいいだろう」
「じゃあそうさせてもらうよ」
言うが早いか、するりと伸び上がったジーノが村越の耳の下辺りに噛みつく。
村越に跨がって服を脱ぐと、サッカー選手にしては白すぎる肌があらわになる。
女性のように細長い指が村越の胸を探り、乳首に触れる。
感触を確かめるように摘まれるうちに、そこはあっという間に固く尖った。
くすぐったい感覚も、明確な快感へと変わっていく。
「ここはバッキーに吸われたの?」
ジーノは楽しそうに村越の両方の乳首を弄りまわした。
椿の名前を出されて、村越は急に横で寝息を立てている彼の存在を思い出した。
ほんの数時間前まで彼に抱かれていた。
縋りつくように余裕なく腰を使う彼を見ていると、自分が抱かれているのに抱いているような錯覚に陥った。
目の前の男相手ではそうはいかない。
全身が焼け爛れるような熱を、自分の内側から呼び起こされてしまう。
彼が火をつけた激しい熱に翻弄されて、自分のよく知る自分と決別しければならなくなる。
ジーノの指が器用にパジャマの中に潜りこみ、最も奥の部分に触れる。
「まだやわらかいね」
さっきまで椿のものが入っていたそこは、ジーノの指を難無く受け入れる。
「バッキーは君を気持ち良くしてくれたかい?」
きっとボクのほうがずっとずっと気持ち良くしてあげられるよ、そんな自信を言外に含めたようにジーノが笑う。
そんな余裕な顔を見ていたくなくて、村越は目を伏せ、自分からジーノの唇を塞いだ。
彼とのキスはどこか実体がなくて、
絡まる舌と舌が溶け出してそのまま存在ごとどこかに正体なく流れ去ってしまう、そんな気がした。








2010/2/18
調子に乗ってジノコシも書いてみました。タイトルも自重しなかった。
バキコシの夜の続き的な感じで。ヘタレなので3Pは書けませんでした・・・笑
椿はそこで寝ていてください。
王子を書いていると、饒舌なんでびっくりする。よくしゃべるなあこいつ。
逆に椿は全然しゃべんねー。頭の中でぐるぐるするだけ。
しげゆきは昭和の男なので口が重いイメージ。
胸の突起とか書くより、乳首って書くほうが恥ずかしくないのは私だけですか?
あとおっぱいを呼ぶなら乳房という単語が好きです。どうでもいー。